高校受験③

 いよいよ高校受験のための塾に中学一年生からいれられてしまった私ですが、ライバルといえるライバルが出現しました。


それまで日能研では同性の中ではほぼトップであり、争うことはあまりありませんでした。


高校受験の塾に入るとそこには同性のトップがすでに君臨しておりました。それも同じ中学校でした。
といっても私は別にバスケ部のほうに夢中であったし、トップになることにまったく興味がなかったので主に親が意識をしていました。


高校受験の塾はかなり予習に力をいれている塾でした。
週末の授業までに、各教科数ページずつの予習が出て、中身はかなりの量でした。
授業では主に答え合わせをしながら解説するという形になっていました。


かなりの量の予習をこなすため、平日毎日すすめていかないと間に合わないくらいでした。
高校受験の塾のいい点もありました。それは自習室があるということ。これは私にとってかなり幸せでした。なぜなら、自習室にいくと言えば、親の前で勉強しなくてすむということ。
ずーっと家に帰ったら親の目の前で勉強しているふりを続けなければならないので、塾の自習室にいれば、なにをしても自由だったのです。
親の目の前ではさらさら勉強する気のない私は、自習室では漫画を読み、おしゃべりをし、買い食いをし、青春を謳歌してました。
だがそんなことをしていれば、予習が間に合わなくなります。そこで登場するのが、解答をうつす という技。
子供たちはみな一回は通る道である解答をうつすという技をここで繰り広げていました。
予習もなにもあったもんではありません。


ちなみに子供に問題集を与えて、そこに解答がついていればほぼ間違いなく写します。
最初はまじめに解いていても馬鹿らしくなります。解答をぬいて渡しましょう。


そんなこんなで初めての自習室という幸せな時間をつかんだ私ですが、あたりまえですが、成績はトップどころかトップクラスの中堅でとどまっていました。
トップには常に親が意識しているライバルが君臨し続けていました。


ちなみに、塾の自習室というのは大体みんな遊んでいます。大学受験の自習室となると、一人塾の先生が見張りについていて、ピリピリとした雰囲気が漂っていますが、高校受験レベルの塾であれば、見張りもおらず、わいわいがやがや漫画を読んでいたりと自習する雰囲気はあまりありません。
県立図書館とかの自習室のほうがよっぽどぴりぴりして、勉強しなきゃいけない雰囲気があります。